病院以外で働く看護師(小規模多機能、看多機=かんたき)

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看護師が働く職場に小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)があります。

自宅で生活される方が、食事や入浴、リハビリなどの生活支援を通いで受ける事が出来るデイサービスと似ていますが、このデイサービスに短期入所(ショートステイ)、訪問介護サービスを追加したものが小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)です。

小規模多機能に訪問看護のサービスを追加したものが看護小規模多機能型居宅介護(看多機=かんたき)です。

小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)とは

小規模多機能の特徴

<一般的な居宅サービス>
自宅で過ごされる方が介護サービスを利用する場合、担当のケアマネジャーが計画書を作り、訪問介護、デイサービスの様な通所介護、ショートステイなどその人に必要なサービスを利用します。

上記の訪問介護、デイサービス、ショートステイは、それぞれ別の介護事業所が運営していますが、それぞれの事業所の複数のサービスを組み合わせて利用する事が出来ます。

利用料の支払いは、実際に月に利用したサービスの種類、回数分をお支払いいただくというシステムです。

<小規模多機能のサービス>
小規模多機能は、通所サービス、訪問介護、ショートステイを提供する事が出来ます。
(登録者定員29名以下、通所定員18名以下、宿泊定員9名以下)

逆に言えば、歩行器や車いすを借りる福祉用具と訪問看護以外は、全て小規模多機能のサービスを利用するという事です。ケアマネジャーも小規模多機能専属のケアマネジャーになります。

利用料の支払いは、小規模多機能は、まるめで計算するシステムです。
福祉用具と訪問看護の枠分は別になっていて、それ以外は、固定月額でお支払いいただくシステムです。(サービスを何回利用しても支払い金額は同じ)

その為、必要な時に集中して利用する事や、急なサービス追加が可能で、状況に合わせた柔軟なサービス提供が出来ます。

複数のサービスを同じスタッフに関わってもらえる事から、新たな環境に混乱しやすい認知症の利用者が多い傾向にあり、柔軟なサービス提供を必要とする退院後などの体調が不安定な方が利用する率が高いです。(必然的に入退院も多めです)

小規模多機能での看護師の仕事

看護師の仕事内容は主に健康管理を行う事です。デイサービスと基本的に変わりませんが、医療依存度は少し高くなります。
関連記事病院以外で働く看護師【体験談】デイサービス

看護師は常勤である必要はありませんが、日中は看護師が1名以上いる必要があります。夜間の看護師配置についての規定はありませんので、ほとんどの施設はオンコール体制を取っています。

看取り対応も行いますので、施設によっては、病状に合わせて、適宜、看護師の夜勤を取り入れている場合もあります。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機=かんたき)とは

看多機(かんたき)の特徴

小規模多機能に訪問看護を追加したものが看多機です。
訪問看護は医師の指示書に従い、医療処置を行いますから、看多機で看護師が行える範囲が増えます。(医師の常駐はありません)
関連記事病院以外で働くという選択【体験談】訪問看護師

看多機で提供するサービスは、訪問看護・訪問介護、通所介護、宿泊サービスで、人工呼吸器、気管切開、中心静脈栄養といった医療依存度の高い方や看取りの方も利用対象者となります。

例えば、血糖測定、インスリン注射が行えない利用者さんでも、看多機の訪問看護を短時間利用すれば、自宅での生活が可能になりますので、看多機の担う役割は大きく、厚生労働省や看護協会は増やしていきたいと考えています。

看多機(かんたき)での看護師の仕事

看多機で看護師が提供するサービスは、通所サービス、訪問看護、宿泊サービスです。
看護師配置基準では、常勤換算2.5人以上、日中1人以上、訪問1人以上です。

通所、訪問、宿泊をどうやって対応するのか?自分にはイメージできなかったので、知人の看護師に聞いてみると、同敷地内に訪問看護ステーションがあり、訪問看護と夜間対応は訪問看護が行っているという事でした。(夜間はバイトも募集しているとの事)

宿泊サービスのうち、3~5床は常時宿泊の方で、その内1床は人工呼吸器使用の方だという事でした。

看多機の看護師は1名で、宿泊サービスの方の健康管理を行いながら、通所サービス利用者の健康管理、医療処置を行うとの事でした。

「通所サービス利用者は15名前後で健康に問題がなければ、介護職に任せる事が出来るし、人工呼吸器管理と言っても、自発呼吸が出る訳でもなく、基本は安定しているから、病院で診るのとは違うし、全然大丈夫。」と配属になった看護師。

彼女は看多機前は老健の看護師でしたが、老健のバタバタした感じはなくて、一人とじっくり関われるから、看多機の方が楽に感じるという事でした。

小規模多機能、看多機(かんたき)で働くメリット

・少人数とじっくり関わる事が出来る
・看取りの看護か学べる
・他職種連携で在宅生活の支援が出来る
・給与は高め

看多機は地域密着型施設なので、地域の行事やイベント毎にも積極的に関わります。
医療依存度の高い利用者さんが、安心して自宅で暮らしていける様に、ケアマネ、医師、医療スタッフ、介護職、地域住民などなど、連携を取りながら共に支援できる事は魅力的です。

医療的要素が強い為、多くは高めに給与設定されています。(施設によって看護業務の範囲、給与体制は大きく変わります)

小規模多機能、看多機(かんたき)で働くデメリット

・状態変化が重ねると大変
・他職種との連絡、調整が多い
・責任が重い

小規模多機能、看多機共に医師はいませんから、体調不良者が出ると、医師、家族、ケアマネ、施設管理者への連絡が必要になります。連絡、家族の意向確認、指示受け、記録が必要となるので、やり取りに時間が割かれます。

看護師一人で対応している場合が多いので、体調不良者が重なった場合は、優先順位を考えて、介護職と助け合って動かないといけません。

異常の判断、医師への報告など、全ての医療判断が看護師にかかって来るので、看護師が担う責任は重いです。

小規模多機能、看多機(かんたき)看護師求人の探し方

インターネット検索で求人募集が出ていますが、特養、有料、老健、デイサービスと比べると求人件数はかなり少ないです。
(看多機は最近できた施設で、まだ取り組み事業所が少ない為、近隣で事業所があるかどうか確認が必要です)

小規模多機能は、施設の方向性、利用者さんの受け入れ可能条件は押さえておきましょう。介護職との関りが多くなるので、看護師業務の範囲や、夜間の体制、フォロー体制がどうなのか等確認しておいた方が安心です。

看多機については、訪問看護ステーションが併設されているのかどうかで、緊急時の対応も変わって来るし、夜勤の有無、看護師が何人体制で業務振り分けがどうなっているのか?など、自分が働くイメージが出来るまで確認した方が良いと思います。

知人がいれば、事前に要チェックです。

情報源がない場合は、看護師転職サイトを上手に使いましょう。
聞きたい事は代理で確認してくれます。頻繁に求人が出ている場合は、なぜなのか聞いてみる事をお勧めします。(看護師転職サイトは、見えない内情も把握しています)

小規模多機能、看多機の求人は、特化して取り組んでいるサイトは見当たりませんので、自分が応募したい施設を見つけてから、看護師転職サイトに相談してもいいかも知れません。

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病院以外で働くという選択~看護師の資格を活かす32の働き方~

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