新卒看護師の転職事情 成功する人と失敗する人の違いとは?

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辛い実習を終え、やっと看護師として就職できたのに、待っていたのは、もっと厳しい職場環境。

あんなに勉強してきたのに、動けない、役に立たないというショック、やりたい看護が出来ないもどかしさ、ハード勤務、夜勤がしんどい、職場の人間関係が苦痛・・・等々
理由は様々ですが、辞めたいと考える人は少なくありません。

経験項目が少ない状態で辞めても、就職できるだろうか?
これは、誰もが思い悩む事です。

そこで、新卒看護師の転職事情、成功する人と失敗する人の違いについて、まとめたいと思います。

新卒看護師の退職状況

新卒看護師の約1割が退職する

厚生労働省の調査報告(2017年報告)では、新卒看護師の年間離職率は7.8%でこの数年横ばい状態です。因みに、常勤看護師の年間離職率は10.9%です。

少し古いデーターしかありませんが、新卒に限らず看護師は一年に約1割が辞めていくという事ですね。

小規模病院ほど離職率が高い

病床数が少ない小規模病院ほど新卒看護師の離職率が高くなっています。500床以上の病院と99床以下の病院では離職率が2倍違います。

そして、新卒看護師への研修実施状況は、大規模病院ほど多く、病床数が少なくなるにつれて研修実施は少なくなっています。(500床以上では7割、99床以下では4割弱)

つまり、新卒看護師のうち、毎年1割弱が離職し、その内訳として、最先端医療を提供する大規模病院では離職者は少なく、病床数が少なくなるにつれ離職率が高くなっているという事です。

大規模病院ほど厳しく、続けられないイメージがありますが、実は違う事が分かります。
研修実施状況と離職率が比例していることから、教育体制が大きく影響している事が分かります。

看護師の退職理由トップ3

新卒看護師限定ではないのですが、退職経験のある看護師への退職理由調査があります。

看護師退職理由トップ3
1、 結婚、出産、育児
2、 他施設への興味
3、 人間関係が良くないから

時間外労働が多い、医療事故への不安、いじめや嫌がらせ、上司、同僚との関係が悪い、パワハラ等も上位の理由でした。

こちらは定着しない要因調査として、病院職員、学校教員へ実施した結果です。
病院職員、学校教員が答えた離職理由トップ3
1、 基礎教育終了時点の能力と現場で求める能力とのギャップが大きい
2、 現代の若者の精神的な未熟さや弱さ
3、 看護職員に従来より高い能力が求められるようになってきている

個々の看護職員を「認める」「ほめる」ことが少ない職場風土、現場の看護職員が新卒看護職員に仕事のなかで教える時間がない、という項目も上位にランクインしています。

※退職した新卒看護師への調査報告は厚生労働省や看護協会からはありません。

看護師の退職理由は、結婚、出産、育児というライフスタイルの変化によるものと、人間関係によるものが多くを占めています。

そして、現在終業していない看護師への調査では、心身の不調やいじめ、パワハラなどの人間関係に関わる内容が顕著に増えていますので、看護師という職業を辞めてしまった人は強い苦痛を感じていた事が分かります。

第二新卒(3年以内退職者)の求人はあるのか?

・第二新卒の求人は沢山ある
・第二新卒の転職先選びは要注意

第二新卒の求人は沢山ある

ネット検索すると分かりますが、求人は意外と沢山あります。

臨床経験少ないと使いものにならないのでは?
多くの人がそう思いますよね。

融通の利かないベテランより、こだわりのない新卒の方がいい
一から育てたい
体力がある人歓迎、夜勤が出来る人歓迎
新卒より辞めないだろう

上記の様に考える雇用主もいるので、実際には沢山の求人募集が出ています。

第二新卒の転職先選びは要注意

最も注意しなければならないのは、求人募集が出ている職場は、人が足りていない職場であるという事。
看護師が辞めていった職場だという事です。

4月入職の場合は、計画的退職者の補充である可能性が高いです。ボーナス支給後もその傾向はありますし、配偶者の転勤、結婚、出産などによる退職であれば、さほど心配はいりません。

しかし、あなたが辞めた様な職場である可能性は忘れてはいけません。
万年、人手不足の職場で、教育制度が不十分かも知れません。
厄介なお局がいる職場かも知れません。

もう一つ注意すべき事は、第二新卒の求人募集であっても、経験者、即戦力として採用する職場がある事です。
入職時に十分な研修、フォローを受けられない事もあるので、人員配置、教育制度、求められている内容を確認する必要があります。

新卒看護師が辞める時期、ベストなタイミングは?

ベストなタイミングは人によって違いますが、一般的に言うなら、3年いれば一通りの事が出来るようになるので、転職の選択肢は広がります。

求人募集が最も多くなるのが12月から1月なので、この時期に合わせるのも一つの方法です。病院にもよりますが、約1年働けば基本的な看護技術も習得出来ているので、転職の選択は制限されますが、次の職場で技術的に困る事は少ないでしょう。

まだ就職してすぐだけど、そんなに続けられないという場合もありますよね。
そういう時は、自分の心が壊れる前に動いた方がいいです。

人間関係が築けず、委縮して実力が出せない、レッテルを貼られて、ダメな自分を脱する事が出来ない・・・

こういう時は、もがいてもどうにもならず、病んでしまうので、環境を変えた方が上手くいきます。関わる人が変われば解決する事もあるので、先ずは部署移動を検討し、それでもダメなら休職や退職の流れがベストです。

転職に成功する人、失敗する人

転職に成功する人は、自分に向き合い、新たな出発をきれる人です。
失敗する人は、同じ繰り返しをする人です。

そうです、ポイントは同じ事を繰り返さないという事です。
転職を成功させた人は、再就職できた人ではなく、転職先に満足できた人です。

転職したら、たまたまラッキーな職場環境だったという人もいますが、多くの人は転職に向けて自分と向き合っています。
退職した理由は何なのか?何が辛かったのか?
自分は看護のどんな分野に興味を持っているのか?
自分はどんな看護師になりたいのか?

例えば、常に生死と向き合う緊張感が生理的に無理だという場合は、急性期病院以外を選んだ方がいいし、不十分な教育体制ではやっていけないと思うのであれば、しっかりした教育カリキュラムがある環境を探した方がいい訳です。

しっかり自分と向き合えば、リサーチも的確に行えますので、自ずと希望を叶える職場を探し出せます。

対して、転職に失敗する人は、焦って次の職場を決めようとする傾向にあります。
マイナスイメージに取り付かれたままでは前へ進めません。

疲れ果てた自分を癒す事も必要です。
自分と向き合う時間も必要です。
働く場所を変える時には、自分の気持ちが前を向ける様にしたいですね。

第二新卒が転職を成功させるポイント

・退職理由、なりたい自分像を明確にする
・目的に合った求人情報を選ぶ
・自分の目で確かめる
・履歴書、面接対策をする

退職理由、なりたい自分像を明確にする

こちらは、先ほどもお伝えしました。
きちんと自分に向き合い、目的を定める事が転職を成功させる近道です。

目的に合った求人情報を選ぶ

求人情報は沢山出ています。
給与だけみて、飛びついたりせず、自分の転職目的にあった求人情報を厳選しましょう。

給与や休日など条件がすごくいい場合は、好条件なのになぜ求人募集しているのか?疑ってかかる位がちょうどいいです。

内情に詳しい人がいれば、教えてもらうのがベストですが、知人がいない場合は内情を把握している看護師転職サイトを利用するのも一つの方法です。(新卒看護師の場合は、転職サイトスタッフにペースを乱される危険性があるので、転職サイト選びは慎重に行った方がいいです)

個人的には、登録せずに【医療ワーカー】のホームページで求人情報、転職情報を取って、実際に相談するのは【看護のお仕事】がいいと思いますが、担当者にもよるので、自分と相性のいい転職サイトを選んでください。

関連記事【目的別】看護師転職サイトの比較と賢い活用法~実際に利用して検証~

自分の目で確かめる

求人情報は自分の目で確かめましょう。
ホームページはもちろん、病院、施設の口コミ等もチェックしましょう。

そして、実際に職場に行って、立地、通勤方法、患者さん、スタッフの雰囲気等々、自分で体感してみて下さい。
見学を申し出た時の対応との違い等も参考になります。

履歴書、面接対策をする

臨床経験が少ない場合、書類審査が通らないという事もありますので、履歴書対策が必要になります。
履歴書は、「話を聞いてみたい、会ってみたい」と思わせる様な応募動機を具体的に書く事がポイントです。

面接のポイントは、全職場の文句、悪口を言わない事、退職理由を聞かれた場合は、言い訳をせず正直に伝える事(自分の反省とそれを課題に頑張りたいという意思をセットで伝える)、この職場を選んだ理由を具体的に伝える事(何に興味がある、どんなことを学びたい等)・・・

つまり、しっかり自分と向き合う事が出来ていれば、履歴書も面接も困る事はありません。
反省点、自分の課題が明確化できて、なりたい看護師像がイメージできる事が何よりも大切なので、そこにしっかり時間をかけて、転職に臨んでみてください。

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