病院以外で働く看護師【体験談】グループホーム

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看護師が病院以外で働く職場の一つにグループホームがあります。認知症の方が共同生活を行う場所がグループホームですが、なぜグループホームで看護師が働いているのでしょうか?看護師はどの様な関りをするのか?を紹介したいと思います。

グループホームとは

私は、かつて認知症看護認定看護師を目指そうかと思ったくらい、認知症看護に奥深さを感じています。

前々からグループホームで働きたくて色々と調べましたが、看護師の求人自体が少なく、正社員の求人は稀でした。給与もかなり低くなるので諦めていましたが、超高齢化、医療依存度の高さという社会背景から、グループホームの形も変わってきています。

グループホームってどういうところ?

グループホームとは認知症対応型共同生活介護の事を言います。
(認知症高齢者が家庭的な環境で、地域と交流しながら共同生活する住居)

看護の必要性は?介護スタッフでいいのでは?と思いますよね。
実はグループホームの人員配置に看護師の常勤はありません。以前は医療的管理が必要になれば、病院へ入院、管理できる施設へ転所するというのが一般的でした。

それでは、なぜ?
グループホームでは、医療連携体制加算という加算が取れます。
加算を取る条件を満たすには、看護師と24時間連絡が取れる体制である事が必要です。
その為、看護師は非常勤雇用や、訪問看護等と契約している場合が多いです。

近年は、高齢者の認知症率の高さ、医療依存度の高い高齢者の増加という時代の変化もあり、また、同じ場所で看取りまでしてもらいたいというニーズの高まりから、看護師を常勤雇用する事業所が増えつつあります。

グループホームでの看護師の役割

グループホームは1事業所当たり1又は2ユニットを運営(1ユニットの定員は5~9人)
人員配置基準は、日中は利用者3人に対し常勤換算1人、夜間は1人(看護師である必要はない)

つまり、看護師は常時必要という訳ではありません。
極端に言うと、往診の先生の対応、指示受けの時以外はオンコール対応でいいという事になります。(24時間連絡が取れる状況であれば医療連携体制加算が取れます)

便処置や、創傷処置など決まった処置がある場合は看護師が必要になりますが、どう考えても常勤で雇用するには人件費がかかり過ぎるので、短時間で訪問してくれる訪問看護ステーションと契約している事業所が多いのです。

グループホームで働くメリット

・認知症看護が学べる
・地域交流、地域支援に関われる
・高度医療はほぼない

認知症看護が学べる

認知症は病名が付いていますが、積極的治療が行われておらず、周辺症状や問題行動をコントロールする目的で薬が処方されている域を出ません。
その為、医療的意義は低く考えられています。

しかし、関わり方によって認知症状は大きく変わるし、改善される場合もあるので、もう少し認知症の捉え方やリハビリ内容が変わってくれば、看護師が関わる意味も違ってくると思います。

私は他施設実習でグループホームへ行かせてもらった事があるのですが、カルチャーショックと感動を受けました。

正に共同生活でした。
洗濯が得意な人には洗濯を担当してもらうし、食事は毎食一緒に作るのですが、お米とぎが上手くできる人にはお米係を任せ、包丁が使える人には下準備を手伝ってもらい、お花の手入れをする人はそれに専念する、、、という具合に、みんなで自立生活を行い、フォローが必要な部分はスタッフが対応するというスタイルでした。

もちろん、気が乗らない場合は無理強いしないし、どういう状況で、どういう声掛けの時に拒否が強い、どういうワードで興奮する、こういう内容だと機嫌よく取り組む等々、詳細に記録し共有してありました。

実習中に精神科Drの往診があり、帰宅願望が強い利用者さんにどう対応するか、内服コントロールはどうするかも深いディスカッションがありました。

認知症は本当に奥深いと思います。
そして、何より印象的だったのは、利用者さんの活き活きした表情でした。
看護師の視点で関われる事は、まだまだ沢山あるのではないでしょうか。

地域交流、地域支援に関われる

グループホームは地域密着型施設なので、地域の行事にも積極的に参加していきます。
認知症はオレンジリング活動も広がっていて、地域で支えるという考え方が根付きつつあります。

例えばゴミ出しの日が分からなくて、ゴミ屋敷になってしまう人でも、隣人が今日は燃えるごみの日だよと声掛けすれば、ゴミ出しが出来るようになったりします。
それぞれが、無理せず出来る事をする、それだけで自立した生活を送る事が出来る人がいます。

認知症の方が生きやすい環境を作る為にも、地域との交流は大きな意味を持ちます。

高度医療はほぼない

中には吸引に対応するグループホームもまれにありますが、医療処置が少ないホームが一般的です。

急変対応する事はありますが、搬送する事になりますので、状態把握と医師や家族とのやり取りがメインとなるでしょう。

グループホームで働くデメリット

・常勤雇用が少ない
・看護師以外の仕事も兼務する事が多い
・暴言や暴力を受ける可能性がある

常勤雇用が少ない

先ず、グループホームの求人自体が少ないです。
看護師しか出来ない業務が少ないので、求人があっても、非常勤募集や、パート求人募集ばかりです。

短時間勤務や、週に2~3日勤務を希望される人には良いかも知れません。

看護師以外の仕事も兼務する事が多い

看護師の業務は限られるので、介護スタッフと一緒にケアに入る事の方が多いです。
何でもするという位柔軟でないと、厳しいかも知れません。

必然的に他職種と上手くやっていくコミュニケーション能力も必要になります。

暴言や暴力を受ける可能性がある

認知症の進行状態や症状の出方による場合もあるし、便秘になっていると機嫌が悪くなることもあるし、幻想や幻聴と戦っている場合もあるので、誠実に丁寧に対応していても、急に興奮状態になる場合もあります。

暴言や暴力を受けるという事も、場合によっては、日常的にあります。

グループホーム看護師求人の探し方

グループホームの看護師求人は少なく、特に常勤雇用は稀です。
ここで、常勤雇用を可能にする為の裏技として、計画作成担当者と兼務するという方法があります。

計画作成担当者というのは1ユニットに1人必要で、2人のうち1人は介護支援専門員である必要があります。
看護師であれば、決められた研修(実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修)を受けると計画作成担当者になれます。
事業所の推薦がないと研修を受ける事は出来ませんので、「入職後に兼務したい」という意思を伝えると常勤雇用が可能になるかも知れません。

いずれにしても、事業所がどういう人材を求めているのか?を知らなければ、常勤雇用は難しいので、事前情報は大切です。

お知り合いからの情報が一番確実ですが、無い場合は転職サイトから情報を得る方法が一番早いかも知れません。
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病院以外で働くという選択~看護師の資格を活かす32の働き方~

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