病院以外で働く看護師の職場として、テーマパークや大型レジャーランドの救護室があります。企業が採用する産業看護師と共に、人気の高い職場です。
社員の継続的健康管理を行う産業看護師は正社員の募集が多いのに対し、救護室ナースはパート、アルバイト求人が多いのも特徴と言えます。
病院以外で働く看護師(救護室ナース)とは
救護室ナースの仕事内容はイベントナースの仕事と大きく変わりませんが、イベントナースは単発であるのに対し、救護室ナースは、一度採用されれば継続して勤務できる職場です。
(高級ホテルの救護室や豪華客船のシップナースも、同じ様な救護室ナースです)
救護室ナースの仕事内容は、怪我をされた場合や、体調不良を訴えるお客様の救護が主業務です。
医師のいない環境ですので、薬剤を使う事は出来ません。家庭で使用するような市販薬で対応する事となります。(マキュロンとバンドエイドが大活躍でした)
一人も救護室に来ない日もありますが、骨折や重篤な体調悪化時は救急搬送の判断をしなければいけません。
救急隊へ依頼根拠を伝え、救急車への同乗、搬送先への申送りが必要になりますので、臨床経験と幅広い知識が必要になります。
上記は東京ディズニーリゾートHP、ユニバーサルスタジオジャパンHPに出ている救護室求人です。
救護室ナースのメリット
・楽しさや感動を提供する職場で働ける
・医療的関りが少ない
・身体的負担が少ない
・残業ほぼなし
楽しさや感動を提供する職場で働ける
病気と向き合う病院勤務、子育て、生活に追われる日々・・・という、苦しい環境から一時的に解放されます。
日常とは違った、明るく、夢のある環境で働けるというだけで、自分の精神衛生に良い影響を与えます。
医療的関りが少ない
稀に重篤な病状の方もおられますが、基本的にテーマパークで楽しく過ごす元気な方が対象者ですので、医療的な関りは少ないと言えます。
また、病院の様な薬品、医療材料はありません。
家庭医学の領域なので、その範囲での対応を行います。
身体的負担が少ない
これは、決められている業務内容にもよりますが、救護室勤務は座っていられますので、体力を使う事はあまりありません。
私はプールの救護室でしたが、冷房は完備されているし、有線をかけて快適に過ごしていました。待機中は自由に過ごしてよかったので、二ヶ月間楽しくお仕事させて頂きました。
テーマパークなどは、他のキャストと一緒に看護以外の接客を行う場合もありますので、業務内容に違いがあります。
救護室ナースのデメリット
・お客様対応、接遇スキルが求められる
・初対面の人の病状を把握、判断する能力が必要
・看護技術が低下する
お客様対応、接遇スキルが求められる
私の職場では細かく指導される事はありませんでしたが、丁寧、誠実な対応は必須です。
空いている日を聞かれてシフトが作られていましたが、お客様よりクレームが来た看護師は、空いている日を聞かれなくなるので、必然的に仕事に入れなくなっていましたね。
テーマパークなどは、キャストの一員ですから、もっと厳しいのではないかと思います。
初対面の人の病状を把握、判断する能力が必要
病院の様な基本情報はありませんし、その人の通常がどうなのか?が分からない状態で異常を判断する事は難易度が高いです。
必要な情報をどうすれば聞き出せるのか?訴えようとしている事は何を意味しているのか?高いコミュニケーション能力と、観察力が必要になります。
看護技術が低下する
薬品も、医療物品もありませんので、ずっと続けていると看護技術は低下していきます。
医療は進化していきますから、病院勤務していれば、当たり前に得られる最新治療法や、医療処置、物品の扱い方へのエビデンス情報などから離れます。
病院へ戻りたいと考えた時に、気が付けば浦島太郎の様になっているという事は大いにあり得ます。
救護室ナースが向いている人
・社交的で接客が好きな人
・幅広い知識と経験で瞬時に判断できる人
社交的で接客が好きな人
テーマパーク、レジャー施設は、家族連れやカップル、グループで来られている場合が多いので、どんな年齢層にも気持ちよく対応できる社交性が必要です。
対象者は、病院の様な患者ではなく、お客様です。
お金を支払って来場されているので、救護室であっても、その一部だという事を忘れてはいけません。
満足して帰っていただき、また来ていただけるような接客が求められます。
幅広い知識と経験で瞬時に判断できる人
救護室は楽そうな職場と思うかも知れませんが、責任はとても重いです。
その為、書類審査や面接は厳しいです。
臨床経験、特に病棟経験、救命講習受講の有無は重要視されます。
救護室ナース求人の探し方
先ほどの画像にある様に、テーマパークはホームページ内に求人情報を載せていますので、見つけるのは難しくありません。
自分が思っているテーマパーク、レジャー施設名と看護師、求人というワードを入力すると簡単に出てきますので、検索してみて下さい。
求人は見つかっても、入職するのは難しいというのが救護室ナースです。
正直な所、ほとんどは紹介で決まってしまいます。(私も紹介でした)
なので、一番の近道は、救護室ナースと知り合いになる事です。
難しいなら、他のスタッフでもいいので、コネを作る事が最も採用される確率が高いです。
それも無理、という人は看護師転職サイトの力を借りればいいと思います。求人数も多く持っているし、内情も詳しいので、自分で探すよりもハードルは下がると思いますよ。
救護室ナースの求人に強い看護師転職サイトは、【MC─ナースネット】と【マイナビ看護師】です。
※看護師が病院以外で働ける場所は、他にも沢山ありますので、こちらもどうぞ。
病院以外で働くという選択~看護師の資格を活かす32の働き方~
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